《食物アレルギー》
当院ではいわゆる血液検査でアレルギーの診療を行うことは原則していません。血液検査の信頼性はそれほど高くなく、詳細な問診と経口負荷試験を含めた慎重な診療が重要です。しばしば血液検査で陽性なので除去するといった誤った指導をみかけますが、検査の弊害と考えます。
アレルギー専門医ではありませんが、アレルギーの相談にのり、不必要な除去と考える時は早めに経口負荷試験を行っています。
アナフィラキシーなど、検査が必要と判断すれば血液検査は行いますが、原則、病院での検査治療を勧めています。ですので、血液検査は年間、数名程度の実施です。
・花粉症 検査で陽性だとしても治療法は変わりませんので原則検査しません。
・動物 陽性になったら処分する覚悟がありますか?
・食物 アナフィラキシーがあれば慎重に対処します。湿疹程度ではやりません。
今後、舌下免疫療法という治療方法を取り入れる時には検査をする予定です
血液検査
よく話を聞くことで原因をかなり推測できますが、一見説得力がありそうなのが
「血液検査を行うだけでアレルギーの傾向を判断できます」といった説明です。
アレルギーの専門家が講演で共通して指摘するのは、血液検査は参考にしかならない、信頼性は低い、です。
さらにたちの悪いことにMAST33とView36といった一度に多項目を調べる検査に人気が集まっています。竿一本で魚釣りをするのではなく網で一気にひっかけようという検査ですが、食べて何ともない食品まで調べたあげく、アレルギーがあるから専門家に行きなさい、と、無責任きわまりないです。プロはMAST33はやらない、という話を聞いたことがありますが、そもそも血液検査の必要性があるのか、とても疑問に感じることがあります。ちなみに院長は重度の花粉症ですが,春先に発症しGWに治まりますのでスギ花粉でしょう。調べたことはありませんし分かったところでどうにもなりません。
なお、じんましんで血液検査を希望される方もおられますが、食物アレルギーの割合は1割程度ですので、日頃の観察で答えがでます。院長は今でも出ますが、調べていません。
食べた方がアレルギーにならない
ピーナッツアレルギーの危険性が高い乳児に積極的にピーナッツを与えると発病しにくいという論文が出ました(NEJM)。
たぶん、日本人なら卵を食べさせた方が卵アレルギーにならない、ということと共通だと思います。赤ちゃんのうちに検査して除去するなんてことをするから本物のアレルギーを作ってしまうのです。
《アレルギー性鼻炎》
スギ花粉症(春先)とハウスダスト(通年性)のアレルギー性鼻炎に対して舌下免疫療法を始めます。
スギ花粉は夏から冬にかけて開始します。ハウスダストは季節に関係なく始めます。
3年くらい、毎日治療を続けるため、根気が必要です。ちょっとやってみる、程度ではありませんので、気合いを入れて始めましょう。